1、あなたの信じていたものは間違っていたよ、と見せ付けてやりたい

  枢木スザクは私の誘いを断った。
  『結果が全て。そんなのは間違っている』とそう言って。
  そうして向かった先は、ブリタニア。おまえが選んだ場所はブリタニア軍。
  全ての元凶、全ての悪夢の始まりであるあの帝国の軍などを居場所とした。
  そんなことは許せない。そんなことを断じて許しはしない。
  『内部から変える』
  そんな夢想を抱いて生きていけるような甘い場所ではないだろうに。
  枢木スザクの理想は、崇高なる理想だがそれ故に決して叶うことのない夢想に過ぎない。
  いつまでそんなものを抱いているのだ。
  忠誠を誓う価値など無いと分かっているだろうに。
  枢木スザクが内部から変えられるなどといつまでも信じ続けるなら、それが如何に非現実的な夢想に過ぎないか私が思い知らせてやろう。
  まずは如何にブリタニアがイレヴンを、おまえの故国の人間を喰い物にしているか見せ付けてやろう

  ゼロ→スザク



2、不必要なものを必要とするあなたがわからない

  罪の意識だとか贖罪だとか──どうして貴方はそんなものを抱えているの。
  私が動くとき、貴方は私の一部になる。
  だから、あの時貴方が見た光景を私も共有した。
  貴方が感じた恐怖も懺悔も贖罪も全て目にしたけれど、
  何故貴方がそんなものを長い間持ち続けているのか私には分からない。
  どうして手放せないなんて、思うの──?
  捨ててしまえば貴方は自由になれるのに。
  私と一緒にどこまでも高く高く飛んでいけるのに。
  早く捨ててしまえばいい。
  私の大切な誰よりも高潔な白い騎士。
  貴方にそんなものは必要ないわ。

  (擬人化)ランスロット→スザク



3、どうしてあなたじゃなきゃいけないのか

  初めて会った時は、寧ろ少し怖かった。
  なのにどうして今ではこんなに好きなのだろう。
  私のことなんて、クラスメイトで生徒会メンバーの一人
  としてしかきっと認識してくれていないのに。
  ルルは一人の女の子として私のことを見てはくれない。
  妹のナナリーちゃんを見つめるときのルルの瞳は
  穏やかで優しくて、とても綺麗で大好きだった。
  けれど最近、ルルがその私が大好きな瞳を向ける存在が増えた。
  ルルの幼馴染の彼は、私がずっと欲しくて仕方がなかったものを
  一瞬で手に入れてしまった。
  ううん、彼は手に入れたんじゃない、最初から持っていた。
  私にだって、私のことが一番大切だと言ってくれる人はいる。
  中には本当にとても素敵で、きっと幸せになれると思う人もいるのに。
  それでも、私が欲しいのは、彼のあの優しい瞳だけ。
  私をあの瞳で見てはくれないのに──どうしてルルじゃなきゃ駄目なんだろう。

  シャーリー→ルルーシュ



4、あなたを信じられなかった代償だよ

  確かに最後の最後に不安になって、安全パイでいこうって、他の人間に賭けた俺が悪かった。
  運動神経が飛びぬけて良いってルルーシュが散々言ってたのにな。
  おまえを信じきれなかった俺が悪かった。
  けどなぁ・・・賭けた分全部根こそぎ持っていく勢いで
  そんな圧倒的大差を付けて勝つことはないだろう!
  何故着ぐるみで障害物競走なんて競技で、普通に走っているんだ!
  おまえにとっては平均台も普通の道と変わらないのか!?
  そこに跳び箱が置いてあったことに気付いてるのか!?
  全ての障害を笑顔で楽しそうにそこに障害なんてあるの?とばかりに悠々と駆け抜ける。
  ああ爽やかだ。とっても爽やかだぞ、スザク。
  けどなぁ・・・・・・二年連続障害物競走を圧倒的大差で勝っていた三年に賭けた
  俺の財産はどうなるんだあぁぁ!
  ああっ、スザクに賭けたルルーシュが左団扇で俺を哀れみの篭った目で見ている!
  分かってるよ、スザクを信じられなかった代償だって言うんだろ!
  着ぐるみも障害も関係ないなんて詐欺だ・・・・・・。

  リヴァル



5、近くて遠い人、それがあなた

  お兄様は私にとても優しくて、いつでも優しくしてくださいます。
  けれど、最近私はお兄様のことをあまり知らないのではないかと思うのです。
  婚約者の方がいらっしゃるのもご本人が尋ねてこられるまで、全然知りませんでしたし、
  最近何かにとても疲れていらっしゃるようなのに、
  どうしてお兄様が疲れていらっしゃるのか私には理由が見当もつかないのです。
  優しくしてくださるのはとても嬉しいですし、居心地が良いものです。
  けれど、お兄様はいつも私の前では無理をなさっているのではないかと思うのです。
  だから、私はお兄様の優しさにいつも甘えてばかりではいけないと思います。
  お兄様が私を支えてくださるように、私もお兄様を支えていけるようになりたいと思うのです。
  けれどお兄様は私にはいつも優しいばかりで、一度も弱音など見せてくださったことはないのです。
  生まれた時からずっと一番近くにいるのに、とても遠い人──それが私のお兄様です。

  ナナリー→ルルーシュ



2007.01.14

 お題:あなたとふたり、埋もれる世界のための5つの絆
 配布サイト:遙彼方さま