メリークリスマス!

 「ごめんなさいね、クリスマスにまで稼動実験だなんて」
 「いいえ。これも僕の仕事ですから」
 「そうそう、ランスロットと過ごすクリスマス!これ以上素敵なクリスマスはないね」
 「それはロイドさんだけです」
 「そんなこと無いと思うけどなぁ」
 「はいはい。あ、スザク君、A-63パターンの起動データを取ったら休憩にしましょう。ささやかだけどケーキを焼いてきたから、後で皆で食べましょう」
 「え〜どうせならA-60番台の実験は全部・・・」
 「何かおっしゃいました?」
 「いえ、何も」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「さ、二人ともそうと決まればさっさと仕事は済ませて、ケーキを食べましょう。あ、スザク君にはプレゼントも用意しているのよ」
 「え・・・?僕、に?」
 「ちょっちょっとちょっと、君、何で泣いてるの」
 「あ、すみませ・・・あんまり嬉しくて・・・。セシルさん、ありがとうございます」
 「スザクくん・・・・・・」
 「えっちょっと、何で君まで泣くの」
 うるうるうるうる・・・・・・。
 「・・・・・・あ〜もう、分〜かりま〜し〜た〜。クリスマスパーティすればいいんでしょ」
 「ありがとうございます。さっ、スザク君。そうと決まれば準備しましょ。休憩室の冷蔵庫にシャンパンが入ってるから、取ってきて貰えるかしら」
 「え・・・シャンパンなんて、いいんですか?」
 「いいのよ。さっ早く」
 「・・・・・・騙された、のかな〜」
 「何か言いました?」
 「いえ、別に・・・・・・」
 「七面鳥も焼いてあるんですよ」
 (・・・なんでそんなに準備、してるのかなぁ〜・・・)



セシルさんのおにぎりシリーズ2 苺のコンポート

 とうとう来た・・・・・・っ。
 ああ、恐れていたことが現実に。
 「リクエスト通り、苺のコンポートで作ってみました」
 楽しそうなセシルさんが掲げる皿に乗っているのはおにぎり。
 紅茶でもスコーンでもクラッカーでもない。
 白いごはんを三角形にして、海苔を巻いたもの。
 「あ〜本当に作ったんだねぇ」
 そう言いながらロイドさんが手を伸ばす。
 「うん、甘いね。やっぱり脳を活性化させるには糖分だね」
 「スザク君もどうぞ。沢山あるから遠慮せずに食べてね」
 「は・・・・・・はい」
 ここで断れない自分が憎い・・・これを・・・苺のコンポートが入っていると分かっているものを口に・・・入れ、る、のか・・・・・・。
 「さ、どうぞ」
 うっ・・・・・・。食べる前から苺の強烈な甘い香りがっ・・・・・・。
 「い、いただきます・・・・・・」
 受け取ったからには覚悟を決めろ!決めるんだ。
 大丈夫、一つ一つは食べて死ぬようなものじゃない。
 決死の覚悟で、口に入れたおにぎりからは・・・ただひたすら甘い苺のコンポートの味が・・・
 ああ・・・あま、い・・・・・・こんな、の、おにぎり、じゃ、な・・・い・・・

 「きゃースザクくん〜〜」
 「おーい、枢木准尉が倒れたぞ〜」
 「しっかりしろー」
 「冗談が過ぎたかしら」
 「「「え゛・・・・・・」」」



アッシュフォード学園生徒会1 只今書類と格闘中

 「ねえ、リヴァル」
 「何だい?シャーリー」
 「私達・・・なんでここにいるのかしら?」
 「何でって・・・それはミレイ会長のいつもの急な思いつきで急遽企画が持ち上がって生徒会メンバーが呼び出されたからさ」
 「つまりこの部屋に居る限り、私達仕事しなくちゃいけないのよね?」
 「勿論さ、シャーリー」
 「それって、何も肩寄せあって、内緒話しながらするものじゃないよね?」
 「ああ・・・普通なら・・・普通ならな・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「・・・・・・・・・・・・」
 「そこの二人、いちゃいちゃしながら書類を書くんじゃないわよぉぉぉぉ」
 「え?僕たちのこと?」
 「ふっ、何を言っているんだ、シャーリー。スザクはまだ生徒会の仕事についてはよく分からないんだ。誰かが教えてやらねばならないだろう?」
 「あの・・・シャーリー、ごめんね?僕、まだよく分からなくて・・・」
 「少しずつ覚えていけばいいさ、スザク」
 「うん、僕頑張るよ」
 (だからって、肩に腕を回しながら教える必要はないよなー)
 (髪を撫でる必要だってないわよっ)
 「ひゃっ・・・もう、ルルーシュ何してるんだよ」
 「スザクがあんまり真剣に書いてるから、つい、な」
 「つい耳に息を吹きかけたりしないでよ、もう。真剣なのに」
 「あはは、ごめんごめんスザク」
 「だからいちゃつくなぁぁぁぁ」

2007.01.01